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【ヒカルの碁 第98局「新初段シリーズ」】 00/12/18

今週の「ヒカルの碁」。センターカラーで表紙はクリスマスな囲碁部の面々。かわいいのう、みんな。いじっぱりな感じな三谷くんがこれまたキュート。→第98局「新初段シリーズ」。夏休みにヒカルが通いつめていた碁会所「道玄坂」に久々に顔を出したヒカル。さっそく河合さんからの手荒い歓迎を受けてました。ヒカルがプロに合格したことを祝ってくれたオジさんたちですが、ヒカルがあまりにも碁の世界のことを知らなすぎる(どんなタイトルがあるかすら知らない)ため、碁会所のマスターが「週刊碁」のバックナンバーをヒカルにまとめて貸してくれました。家に帰ってあれこれ眺めるヒカル。佐為はそこに載っていた名人の棋譜を夢中で読みあさります。そしてみつけた、去年の新初段シリーズ。あのときのことを思いだして、自分は誰と対戦するのか、楽しみにするヒカルでした。
そして年が明けて。塔矢名人宅では名人とアキラ(和服姿!!)が棋院の記者のインタビューを受けてます。アキラの連勝は26でストップしたとのこと。インタビューの終りに、塔矢名人の方から記者に新入段者と対局をする「新初段シリーズ」のことが言及されます。棋院側としては、塔矢名人には出てほしかったもの、タイトル戦のかけもちで多忙のため去年、一昨年とでてもらえなかったので遠慮していえなかったとのこと。ただし、名人は条件をつけます。対局者を指名したい、と。その言葉を聞いて顔色をかえるアキラ。「彼と会うのは2年ぶりになる−…やっと出てきたか」と呟く名人。
一方、ヒカルは佐為と碁の特訓。ピリピリし、表情も厳しくなっている佐為。そこに棋院からの電話がかかってきて、新初段シリーズの相手が名人だと告げられる。名人と対局できることを喜び、アキラの前で自分の力をみせつけるだ、とはしゃぐヒカル。そして佐為はあまりに真剣な表情で、「わたしに打たせてください」とヒカルに懇願するのであった…

…なんか読んでて少し胸が苦しかった。生身を持たない佐為の悲しさが…どんなに欲していても、ページを繰る事さえ自分ではできないわけです。あの切羽詰まった真剣さが痛々しくて。小畑先生の画力があるからこそ、ネームでキャラ心情を説明しなくても済むゆえにできる表現なんですよね。はあ。
それにしても、どうするんだろう…てっきり名人vs佐為は物語のほぼ最後に対局が実現し、そして満足した佐為が成仏するんだと思いこんでいたので。で、こういう展開になってから考えると、プロ試験前後からでてきた佐為のアイディンティティの危機を感じさせるエピソードは、今ひとたびヒカルのかわりに佐為が打つことを正当化するための伏線かもしれません。プロになって、昇進やタイトルにかかわる対局を佐為がヒカルのかわりに打つのは、読者からみると「ズル」に思えます。(マンガ中ではヒカルのプライドとして処理していますが) でもこれだけ佐為が自分で打つことを欲している、自分が消えるのではないかと不安がってる描写が続くと、読者としても(今後の成績に関わりがないお祭りである)新初段シリーズくらいは佐為に打たせてやってもいいじゃないか、という気分になりますし。
今後の展開としてヒカルが拒否するというのも多いにありえますが(ヒカルだってめったにない名人との対局は自分でやりたいでしょう)、色々と考えると佐為に打たせるのもおもしろいかも。で、こうなったらおもしろいだろうなあと私が考えた展開。名人vs佐為(ヒカル)の対局は非常にハイレベルなものとなります。そのとき対局を見に来ていた和谷くんや緒方さんが「あれはsaiだ」ということに気がつく。アキラもヒカルこそが自分の捜し求めていた「彼」だったと分かる。そしてsai=ヒカルと外部の人間には思われてしまうわけです。佐為は満足して成仏。(もしくは理由はわからないがヒカルとはコンタクトがとれなくなってしまう) ヒカルは佐為という師匠であり、一番の友達でもあるかけがえのない存在を失った上に、saiの幻影を背負い、それを乗り越えてゆかなければいけなくなる。たったひとりで荒野を進むハメに… というのもおもしろいかなあ、と。ヒカルの自尊心では、「自分でない、佐為」がほめられたって嬉しくないわけでしょ。自分をアキラにみてもらいたいのに、自分の中の佐為だけを追い求められるなんて、ヒカルにとっては苦しいことになるわけです。こんなことになったら必要以上にマークされたり、過度な期待をされたりとヒカルにとって辛い立場に追いこまれるんじゃないと。そういう展開も読んでみたいかも。
…でもいくらほったさんといえども、人気投票一位、物語を支えるもうひとつの柱であり、使いやすい解説者である佐為をここで切るわけは……でもあのほったさんだからなあ。なにかあってもおかしくない。
とにかく、新初段戦には緒方さんに見に来てほしいです。緒方さんもヒカルの行く末に興味を抱いていたし。そして、ヒカルに一番最初に関わったプロですし、白川先生も心配して見に来てくれないかなあ…夢のオガシラ邂逅が実現したら、…したら。ジャンプをみて叫ぶのは間違いないだろうなあ。99局が佐為とヒカルのやりとりで、100局ちょうどで新初段シリーズが始まり、プロ編メインキャラが出揃うという展開だと楽しいんですが。
さて、その他色々。名人が王座戦をゲットしちゃったんですよねぇ。 あの〜、挑戦者の取替えがきく=座間王座が防衛だと思ったからこそ緒方さんじゃなくなっても「まあいいか」って気分になったのであって、もし緒方さんがそのまま王座挑戦者だったら…タイトルとれてたんでしょうか? あう。
あと、新しくタイトルホルダーが判明。一柳棋聖だそうです。和谷くんがインターネットで対局して、のされた相手ですね。タイトルホルダーがネット碁でそういうことをやってるあたり、おちゃめなオジさんかなあという気はしますが。登場はいつになるでしょうね。
あと、前に募集していたキャラ俳句。…五七五になってない句があるんですけど〜。季語もないんですけど〜。まあそれはいいとして、緒方さんネタにはウケました。やっぱり白いスーツばかり山のように持ってるんでしょうか。でもほったさんの「和服姿もみたいですよね」というコメント、うー緒方さんの和服〜。想像できませんが、タイトル戦防衛とかで(←そのまえに奪取しなくては)和服姿とか素敵かも〜。でもまさか白装束ということはないでしょうが。
小畑さんが佐為の性別「もうどっちでもいいです」と。ほったさんも前にそういうコメントだしたしねぇ。小畑さんも佐為のことを「男」だと思ってかいてないんじゃ? でも佐為が女だったら話が別の方向に行く可能性があるわけで。だって、いくらヒカルがオクテだからといって、あんな美人な女の人が(たとえ幽霊でも)側にいたら普通には接することできないでしょう。ラブコメになっちゃう。
それにしても、次のジャンプは二週間先。うー、待てないよ〜。


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