エッセイと言うか、作文と言うのか、思いついた時に。


2006/10/07(Sat)  お練〜10万円の寿司
この春、こぶ平さんが林家正蔵を襲名・浅草でのお練のニュースを見て
昔、大好きだった三平さんの声を思い出し、書き始めた文章を 読み直し
続きを書いてみた。
書き直しても、落ちは諺通りの<三つ子の魂百まで>なので、情けない。

こぶ平さんは、いや正蔵さんはお寿司が好きで、よく食べに行くらしい。
アナウンサーの問いに、臆するコトなく『一回10万円位のお寿司を食べている』
と、答えているのだが、その明るい笑顔に全く嫌味が感じられない。
・・・・その事がショックで、書き始めた文章だった。

(子どもは、大切に大切に育てられるべきなんだなあ、と心底思った。)

子供のころ、落語家林家三平さんの『♪よしこさ〜ん、こっち向いて〜』
と唄う 、バカバカしいまでに明るい声に魅かれていた。

他人には言った事はなかったが、掛け値なしに好きだった。

『♪好きです好きです。よしこさ〜ん』と、連呼される名前が
母の名と同じ【よしこ】だった事もあるのかもしれないが
【 底抜けの明るさ 】は、いつもすきっ腹を抱えていたわたし達一家にとって
【 ご馳走 】だったのかもしれない。

林家三平さんの、掛け値なしの明るい声を聞く度に
【 元気でいれば、きっと良いコトがあるよ! 】との励ましを得て
癒されてもいたのでしょう。人が喜ぶ【明るい声】に憧れた。

住み込み看護婦をして働く母に代わって
9つの時から家事一切を引き受けさせられていたわたしは
「片親の家の子は陰気だ」と言われるのが嫌だったし
懸命に働く母に申し訳ない気もしたので、精一杯の作り笑顔で
世の中を渡って【 明るい良い子 】を演じていた。

渡る世間は鬼ばかり、とは思ってはいなかったが
(今、思い出してもその頃のわたしをギュッと抱きしめ、誉めてあげたい位に!)
健気なこころで、毎日を生きていた。

(主婦代理の日々は、周囲の大人のさり気ないサポートに支えられていた!と理解したのは、かなり後の事。)

その頃の苦労が、現在のわたしを形造ってくれたのだと感謝しているが
何かにつけて考えがケチ臭いのはこの頃の【 貧乏の後遺症 】かと思う。
綺麗で、上品な衣裳を着たドラマ・映像のマジックのためか
『 草村さんは、何の苦労もなしに生きて来た人かと思ってました 』と言われ
にんまりしているコトもあるのでのですが・・・現在もスーパーで、つい
半額シールの付いた<賞味期限ギリギリ>に手を伸ばしてしまうの。
(わたしは生涯、一回10万円のお寿司を【 平然と食べられる人 】には、なれないンだろうなあ。)
あ〜あ。あはは。

    三つ子の魂が百まで忘れられない  LEIKO


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