2007/01/27(Sat)
正調・京都弁
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わたしの演じる『一人芝居・じょんがら民宿こぼれ話』は、津軽言葉で語ります。 地方語の持つ力<あったかいニュアンス>に寄りかかって続けるコトが出来ました。 この作品はわたしの作・演出ではありますが、台本創りの段階から何年間かを 青森・五所川原出身の秋田貴美子さんに、同伴していただいて仕上げました。 その後も、何人かの青森出身の友人達のお世話になった。 (岡部耕大先生の、松浦弁で書き下ろされた『精霊流し』を、一人芝居として演じ始めてから、標準語には無い<地方語の持つ力の大きさ>に気がつきました。それで、ふたつ目の一人芝居創作の時に、津軽の言葉を選びました。) 稽古の度に<津軽の言葉らしい響き>とイントネーションを学ぶのですが 津軽弁は美しい反面、いまだに難しい言葉だと感じます。
押しなべて地方語・方言のマスターは、そう簡単ではない。 特に東京人のわたしは、無意識のうちに標準語を使っていたので 演劇入門当初に<訛りの矯正>の必要がなかった分、楽をしたのだが かなり長い期間、標準語と東京弁の違いさえ考えずに俳優を続けていた。 方言を使う役が配役されると【ハンデ】を背負ったような気分でいた。 (概ねの場合は、渡された「方言テープ」を繰り返し聞き、各自で習得するのですが、方言をハンデと考えていた頃のわたしは、正確さにのみ囚われていたように思います。)
↑のスナップには、1979年1月15日・浜金谷とある。 題名は失念しているが、NHKのドラマのロケの折のもの。 わたしの前に居られる後ろ向きの方は、山谷初男さん。
主演は、みなみらんぼうさんで、会話は京都弁でした。 (その時のわたしは 『 苦手な地方語、しかも難しい京都弁だから、しっかりしなくちゃ!』と、音符を覚えるような感覚で、アクセントにのみ集中していたのですから、ダメで当然! 山谷さんの科白は、角館出身の山谷さんらしく<どこか、お故郷訛りも感じられる>京都弁なのですが、説得力があるのです! その山谷さんが・・・モチロン嫌味ではなく、あの人懐こい笑顔で<素直な感想として仰ったご指摘>でした。ズシ〜ンと胸に響きました。)
『 草村さんのは、正調京都弁デスよね。』 わたしの京都弁は、俳優として語るべき地方語になってなかったのね。 【俳優の使う言葉】=台詞には標準語・地方語を問わず、思いを乗せてこそ 役に立つ俳優の言葉=科白に成る、と肝に銘じるコトが出来たのです。 山谷さんのこのひと言のお陰で、わたしはこの後、地方語を好きになれました。
得意とは言えなくても 地方語を愛する Leiko
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