03年09月の日記。  今の日記へ

【キーワード】 03/09/28 23:59

「キーワード」の話。Japan.internet.com Webビジネス - 「未来の検索エンジン」を予想するを読んでたときに思ったこと。
ちょっと前に、「そういえば、ちょっと前に雑誌で読んだ、あの怪しげなプログラミング言語(だっけ?)って、今どういう展開になってるのかなあ」と思って色々とぐぐってみたのですが、うまくみつからず。仕方ないので、結局その雑誌のバックナンバーをひっぱりだして、目次を確認してみつけたのでした。この場合は、「テスト不要 開発」という二つのキーワードさえ覚えていれば見つけることができたのですが、肝心なキーワードが記憶からすっぽ抜けてました。
何かを調べたいと思ったときに、どういうキーワードを使うかによって、検索結果も変わってきます。たとえば、「アメリカ ダイエット」「アメリカ 肥満」で検索結果のトップ10件ほどを読むと全然違った印象を受けます。前者だと「ダイエット先進国アメリカからやってきたすばらしく効くダイエット食品」という感じがしますが、後者を読めばアメリカでの肥満問題は深刻であること、その原因は食生活と運動不足、そして健康な食事についての知識不足と食品・外食産業のイメージ戦略、そして階級問題でもあること…がわかります。それを知っていれば、「アメリカで100万人が愛用したダイエット食品」が眉唾ものにすぎないかもわかるわけで。
Googleは便利ですが、情報を引き出すのには適切なキーワードが必要。求める情報が漠然としている段階でキーワード選定を間違えると「誤った情報」を正しいと思い込む危険性もあるわけで。当たり前のことですが…
私がよくわかってないことを検索する場合は、最初に思いついたキーワードで検索、ヒットしたページをガシガシ読んで、その中でさらによい検索を得られそうな「キーワード」を見つけ、また検索して…を繰り返しています。3〜5回くらいやればなんとかそれなりのページにたどり着くことができます。ただ、受けとった情報の解釈には広範囲な周辺部分の知識が必要だから、検索結果を鵜呑みにせずに情報を咀嚼するのは難しい…

サイト内をちょこまか改造しまして、メールアドレスを全部メールフォームに切り替えました。今更のようにSPAM対策とウィルス対策です。SPAMは一度リストに載ってしまえばどんどん届き続けるので、すでにどうしようもありませんが、これでウィルスにアドレス詐称される可能性は少しは減るかなあ…と。自分宛にウィルスメールが届くのはまだマシ。「あなたのアドレスからウィルスが届きました」という自動返信メールが届くと、本当に嫌な気持ちになります。ウィルスがメールアドレスを詐称するということを知らない人がまだまだたくさんいるだけに、私がウィルスを送信したのだと誤解されてるんじゃないかと思ってしまって。
メールフォームに切り替えましたが、直接メール送信も大歓迎ですし、@mbox.kyoto-inet.or.jpも@big.or.jpの両方のアドレスも使えます。
今回のメールフォーム切り替えで、ついでにRead Me!のバナーも外しました。引数にメールアドレスが含まれているので、それをブラウザのキャッシュからウィルスに拾われたら嫌なので。ついでに登録削除をしようと思ったら、7月からずっとシステムが止まりっぱなしなんですね。サイトの規模が大きくなったら色々と手がまわらなくて大変だろうなあとは思いますが…


【「名無しさん」の話、その3】 03/09/21 13:59

「ヒカルの碁(補)その24」、雑誌「九龍(クーロン)」でのイラスト掲載予定について。

9/7の日記の日記続きで、「名無しさん」の話。
あのあとにもらった反応について、思ったことなどを。
名前を持っているのは自己顕示欲や認証欲の表れではないか? 2chの「名無し」さんにはそれらがないだけ。
確かに、私が自分のサイトを持っている動機の一部に「自分を認めてほしい」「ちやほやされたい」という気持ちがあることは事実ですが…でもそれが全部ではありませんし。それに自己顕示欲があること自体は悪いことじゃなくて、その欲望だけが暴走したら困ったことになるんですよね。
一昨年の夏の2ch閉鎖騒動のときに、ブログラムの改良に尽力して閉鎖の危機を回避した人たちが、自分の名前を一切名乗らなかった…というようなこともありましたが、だからといって多くの「名無しさん」が自己顕示欲がないから「名無しさん」であるとは思えません。「2chのデフォルトが名無しだから」という理由の人もいれば、「安全なところから人を叩くことで鬱憤を晴らしたいから」という人もいるでしょうし。まあ、これは板やスレッドによって違うのでしょうが。
みのうらさんの9/11の日記や、メールでいただいたご意見を読んで、「多くの人の目に作品が触れるというメリットがあるからあえて2chで名無しさんとして作品を発表する人もいるのではないか」ということにやっと気がつきました。私の場合、商用ネット上がりだったこともあって、サイトを作成した当初から読者がいたので「サイトを作っても読んでくれる人がいない」という寂しさはもう一つわかってなかったのです。2chという場所が「名無しさん」をデフォルトとする以上、多くの人が集まる2chに参加するために「名無しさん」を選択すること自体は確かに仕方ないことかも。

2chは仕方ないとしても、他の場所では…Memoの方でもすでに取り上げましたが、スラッシュドットジャパンで、少数のAnonymous Cowardによる大量投稿への対策 を行うようになったという話。ACでの投稿(2chでの名無しさんみたいなもの。こちらでは"臆病者"なニュアンスですが)を、匿名性を損なわずに制限する措置を管理者が行ったそうです。具体的には、「同一IPアドレスからの同一ストーリーへのACでの投稿は30分に1度まで」に。 ごく一部の人ですが、執拗にACで荒らしめいた投稿をし続ける人がいるための処置だそうです。
上記ストーリーのコメントの一つによると、本家(英語)のスラッシュドットでは記名投稿が80-90%を占めるのだとか。日本の場合は記名投稿が3分の1程度。やはり日本では2chのせいで「名無し」でいることの楽さを覚えて慣れてしまった人が多いのではないかという気がします。
瞬間的に「正しそう」な意見を書くのは簡単ですが、多面的な事象に対して整合性のとれた意見を持ち続けることは難しい。「名無し」でいることは、そのあたりのしんどさを放棄できるので楽ですが、その反面その場しのぎの無責任な意見になりやすい部分があります。(もちろん、内部告発のために「名無し」を選ぶしかない場合もありますが) 深い議論にするためには、「名無しさん」ばかりよりも、一時的なハンドルでもいいから、どれとどれが同じ人が発言したのか識別できる記号があった方がいいんじゃないかと個人的には思います。

ネット上で全てにおいて一貫した名前を持ち続けることは、安全上に問題がある(全部繋ぎ合わせることでプライバシーが晒されてしまう危険性がある)ので、必ずしもいいことではないと思います。それでもある程度の一貫性を保つために、いくつかの名前を場面ごとに使い続ける(同一の場所では複数の名前を利用しない)ように皆がすれば、ネット総和でのトラブルが最小になるのではないかと。個々に関しては「名無し」でいることでトラブルコストは最小になるかもしれませんが。
ネット上から「名無し」をなくすのは無理な話。それでも、せめて「名無し」でいることに自覚的であってくれればいいのですが。なぜ自分は「名無し」を選択しているのか、「名無し」で発言する必要が本当にあるのか?ということを考えた上で「名無し」を名乗ってくれるのなら…
特に、「匿名を前提としない」場所で平気で「名無し」を名乗るようなことをする人をみるたびについ思ってしまいます。「一時的な楽は心の足腰は弱くするばかりで、いいことじゃないんだよ」、と。


【戦場のピアニスト】 03/09/14 23:28

「戦場のピアニスト」をレンタルしまして、見終わって1時間くらい経ったところです。現在、思いっきりヘコんでる最中。なんかもう、胃のふち冷たく重くなって、全身に力が入らない感じがずっと続いています。
「物語」的な面白みはなく、淡々と事実が描かれてゆくことが、逆にずっしりときました。少しずつ、いろんなことにマヒしてゆく有様とか。人間が、人間でないような浅ましい生き物になってゆくところとか。辛い。
気持ちよく涙を流せるような「悲劇」ではなく、理不尽なことに対して何もできなかった無力感が残ってしまう作品ではありますが、見てよかったなと思いますし、きっと忘れられない作品の一つになると思います。
それにしてもラストのあたり、もうひとつ腑に落ちなかった(「物語」であればですが)ドイツ将校のくだり、映画生活の掲示板で実際にはどうだったのか話題になってまして、それを読むとなぜ監督はテロップででも一言触れなかったのかが不思議に思えました。意図があってのことだとは思いますが…

ちなみに、映画公開時には職業を聞かれたときの答えの字幕が「ピアニストです」になっていたそうですが、DVDでは「ピアニストでした」に修正されていました。

「名無しさん」関連の話はまた後日に。


【とりのこされて】 03/09/11 22:54

「ヒカルの碁(補)その23」、季刊「エス」の表紙・他について。


【「名を持つ」メリット】 03/09/07 16:08

8/30の日記で書いた、「最初の居場所が2chだった人が、もしこのページを読んでいたら、ご意見をいただけると嬉しいです。」について、反応をいくつかいただきました。ありがとうございます。
そのご意見に刺激を受けてあれこれ考えましたが、どれだけ考えてもうまくまとまらないです。というわけで、まとまりないですが、いただいたご意見の一部の要約(ボールド部分)と、私の今の考えを書いてみました。

2chは、大半の人が名前を持つことを放棄しているために「常連」と「そうでない人」の区別が付きにくくなっています。だからこそ、(ユニークな名前が必要とされる)普通の場所でのコミュニケーションに参加のし辛さを感じている人にとっては、参加が気楽にできたのだ
たしか、昔ひろゆき氏もどこかのインタビューに答えてそういうことを話してましたね。2ちゃんねるのプロトコルを理解し、かつある程度話の流れさえ見えていれば、溶け込むことは難しくありませんから。
また、「名無し」同士のコミュニケーションであっても、つながりや交わりは感じられる。たとえ「一期一会」的なものであったとしても、その瞬間にはたしかに何かがあるのだ…と。

内容が全てだから名無しであってもなくても同じではないか?…については、同じではない、と私は思います。黒木玄さんのサイトでの「匿名」による批判の禁止ルールについての「「内容至上主義」の欺瞞」に書かれているように、読む方にとっては、解釈にかかるコストが全然違うのではないでしょうか。その意見が生まれる流れを無視して、ポイント的な発言だけで判断しても有意義な議論にはならないですし。

そもそも「ネットで発言すること」自体が「現実で発言すること」に比べて責任の軽い感があるのではないか、ということ。
現実で発言する場合に無責任でいられないのは、それが自分の今後に確実に影響がでるからでしょう。他人からの「信頼性」に大きく響きますから。その「信頼性」が何に基づくかというと、「リセットに多大なコストがかかるため、事実上リセットできない」ために「信頼性を低くしないような行動をとるだろう」という期待、なのでしょう。
それに比べると、ネット上で「リセット」するのは、名乗る名前を変えるだけ…最悪でも使用プロバイダを変更するだけで十分です。また、失うものが「自分の名前に付加されている信頼性」だけですから、よほどポイントを溜め込んでない限りは、「失って困るもの」じゃないのは確か。

表現について、作品自体のできばえにこだわりがあっても、作品に自分の名前が付加されることを重要なものだと思わない創作者もいるのではないか、ということ。サイト持ちの創作系の人(二次創作も含む)は「無断転載禁止」を掲げている人が目に付くので、そういうものだとつい思っていましたが、確かに全員がそういうわけではないはず。ただ実際問題として、作品だけが全てな人と、そこに「自分」の名前が必要だと思っている人の割合はどのくらいなんでしょうか。

システム上、匿名の存在でいることが簡単にできるネットにおいて、紛争はもとより、コミュニケーションや創作においても、「自分の名を持つ」ことが本人にとってどれだけのメリットがあるのか?と聞かれたら、答えにつまってしまいます。
ただ、私の場合は、私が私であることを知ってる人がいる方が嬉しい。だから、名前を持つ、としかいえません。
役に立つこともくだらないことも、かっこいいところもみっともないことも、全部含めて積み重ねてゆくことで得られるものがあると思います。それをちゃんと説明することはできなくて、自分の中の「柱」のようなもの、としか表現できないのですが…
あとはありがち説教ですが、「楽なこと」を選択していくことは、短期的にはメリットになっても、長期的にみるとデメリットになることも。便利だからといって、近くに行くのにも車ばかりを使っていたら、足腰が弱くなってしまうように。
自分の足で歩き続けた方が、きっといいことが、ある。


【未来へ。】 03/09/04 23:56

「ヒカルの碁(補)その22」、美麗・書店販促用グッズについて。


【完結。】 03/09/03 22:58

「ヒカルの碁(補)その21」、コミックス23巻感想。


【…。】 03/09/02 22:44

「ヒカルの碁(補)その20」、ドラマCD2の内容について。


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