99年10月に読んだ本。
●「DEEP BLUE」星野ケイ[大洋図書](99/10/30)

ホワイトハートで「天使」シリーズを書いてる星野ケイさんの初の(?)ボーイズラブもの。なんだかいつものごとく、って感じの話でした。
アクションだし、香港はやっぱりでてくるし、熱い友情が炸裂してるし。ただ分量が少ないせいで、話の展開があまりに急で、唐突な感じがします。
ちなみに攻はクールに見えて情熱的なタイプで、受は元気少年。ちなみに「地球を守るボーイズラブ」なんだそーです。


●「ラグナロクEX. BETRAYER」安井健太郎[角川文庫](99/10/30)

「ラグナロク」シリーズの短編集。外伝というよりは、本編の補完という感じ。
イラストのリロイが若い!リロイのかつての相棒、ジョイスがいい感じです。
レナとフェンリルの話はなかなか。フェンリルの正体にはちょっとびっくりしましたが。
テュールとはずいぶん懐かしい人がでてくるなあ。
こうやって短編で別の角度から話がでてくると、話に広がりを感じますね。
リロイとラグナロクの出会い話がはやく読みたいです。


●「象と耳鳴り」恩田陸[祥伝社](99/10/29)

「光の帝国 常野物語」以来、ほぼ2年ぶりの新作。楽しみにしていました。
今回は、本格ミステリの短編集。「六番目の小夜子」にでてきたキャラの父親が主役となってます。私が「六番目の小夜子」を読んだのは文庫版がでた頃なんで、もう記憶に残ってなかったりするけど。
派手さはないんですが、小粒でキラリとした素敵な話に仕上がっています。論理がなかなかきれいで。特に気に入ったのは、「待合室の冒険」「机上の理論」です。
ただ、今回は恩田陸カラーがすこし薄かったかも。
次の作品も楽しみ。


●「いそがないで。 毎日晴天!4」菅野彰[キャラ文庫](99/10/28)

「毎日晴天!」シリーズ4冊目。ボーイズラブもの。帯刀四兄弟+2名の奇妙な同居生活での、ひとつ屋根の下の恋。基本的にはコメディですが、胸にじんとくる部分もあって。
今回は真弓と勇太の高校生カップルのつきあって半年の「迷い」の話と、大河と秀の話。
真弓と勇太の話は雑誌掲載時にすでに読んでましたが、なかなか胸きゅんな話で気に入ってたのでこうやって本に収録されて嬉しいなあ。
なんだかすごく好きなんです、このシリーズ。特に真弓と勇太のカップルがお気に入り。真弓という、一見かわい子ちゃんなんだけども芯は強くて、ちょっと小悪魔入ってるキャラってすごくツボなんで……
新作が今から待ち遠しいです。
ボーイズラブが好きな人は、ぜひ菅野彰さんの作品を読んでみてください。すごくいいから。


●「てのりくじら」枡野浩一[実業之日本社](99/10/28)
●「ドレミふぁんくしょんドロップ」枡野浩一[実業之日本社](99/10/28)
●「ますの。」枡野浩一[実業之日本社](99/10/28)

「君の鳥は歌を歌える」で気に入ったので、「特殊歌人」である枡野さんの歌集を探しにいったら全部あったのでゲット。
この人の歌は、ちゃんと五七五七七のリズムがありながら散文のような感じです。ちょっとシニカルな視点がおもしろい。
この人の歌って、“転んで膝を擦りむいたのに「痛くないやい」と強がってる子供”みたいだな、って思った。…なんか好きだな、そういうところ。
「てのりくじら」と「ドレミふぁんくしょんドロップ」はオカザキマリさんが絵を手がけてるんですが、絵がもうめちゃめちゃかわいくて、それだけでも買う価値あり。
一冊1000円とそれほど高くもないし、ちょっとしたプレゼントにもオススメ。
ちなみにご本人のページはますの。で、ほぼ日刊イトイこのコーナーで短歌を連載しています。


●「魔女たちの邂逅」高瀬彼方[講談社ノベルズ](99/10/28)

「女王様」シリーズの3冊目。
天才の戦闘機パイロットにして、「女王様」な性格のシャイアと、その専属メカニックでマゾ(?)なフーバー少年。今度の任務は海賊の反乱組織の「アルカディア」への潜入調査だったが…
巻が進むにつれ、話のノリはよくなってきてますね。なかなか楽しかったです。
フーバーくんにふりかかった過酷な運命にはウケました。それにしても表紙の女の子が一体誰かと思ってましたが…
フーバーくんがなぜキーパーソンとなるのか、「敵」の不可思議な動き、色々と気になることあるんだけどもこれ以上は続編でてないんだよね。残念。
JOCKERの変なお兄さん、なかなか期待できそうなキャラだったのに。


●「戦場の女神たち」高瀬彼方[講談社ノベルズ](99/10/27)

「女王様」シリーズの2冊目。
天才の戦闘機パイロットにして、「女王様」な性格のシャイアと、その専属メカニックでマゾ(?)なフーバー少年。今度は不可解な任務につくハメに。そのとき乗り込んだ船の船長はかなりボケな女性・イズミだった。イズミはなぜか海賊組織のボスの信頼があつかったが…
今回は「イズミ」の話だけあって、シャイアはちょっと影が薄かったですよね。でも一作目よりも話のテンポはよくて楽しかったです。
キャラ的にはジュノーがよかったです。


●「君の鳥は歌を歌える」枡野浩一[マガジンハウス](99/10/26)

本屋で表紙の色の鮮烈さにつられて、なにげなく手にとって、パラパラ読んだら惹かれるものがあったので買いました。
様々な映画や本や舞台に関する評論というか、エッセイと、それらのエッセンスを短歌として切り取った作品を収録しています。
ここでとりあげられた作品のうち、私が知ってるのはごくわずかしかありませんが、それでもすごくおもしろかったです。見たく&読みたくなってしまうの。
短歌もよかった。この方は「特殊歌人」だそうですが、どのあたりが特殊なのかはよくわかんないけど…ただ言葉の作り方は短歌に留まってないあたりがおもしろいです。
一番気に入った短歌は、「神様というのは君のしたことを悲しんでいる誰かのことだ」。
……いいなあ……。
本は安くなかったですが(1300円)、満足でした。
ちなみにご本人のページはますの。で、ほぼ日刊イトイこのコーナーで短歌を連載しています。


●「女王様の紅い翼」高瀬彼方[講談社ノベルズ](99/10/26)

「天魔の羅刹兵 一の巻」がおもしろかったので他の作品も読んでみたいなあ…と思ってたら、MURAJIさんが貸してくれました。ありがとうございます〜。
4年前に出た作品で、「女王様」シリーズの一冊目です。“ガニメデの紅い翼”シャイアは宇宙海賊の凄腕パイロット。その彼女は強烈な性格で、「女王様」と渾名されるほどだった。彼女の専属メカニック、フーバー少年は虐げられながらもシャイアに憧れ、ついてゆくが…
軽いノリのお話。勢いはあるんですが……うーん、ちょっと雑な感じがする。フーバー少年はけなげで悪くないですが、シャイアにもうひとつなじめなかったです。
このシリーズは一冊目はそうでもなくて、二冊目からおもしろくなるそうですから、それを楽しみにしてようっと。


●「魔術士オーフェンはぐれ旅 我が心求めよ悪魔」秋田禎信[富士見ファンタジア文庫](99/10/25)

「魔術士オーフェンはぐれ旅」シリーズ最新刊。
今回はかなり急展開になってます…が、実は前作の内容をあんまりちゃんと覚えてない上に、意味深な伏線がたくさんあって、何がなんだかあんまりわかんない状況に…
とにかく、マジクが無事でいるといいけど。
あと、今回はチャイルドマン教室最後の男の正式(?)登場ですな。これで彼もプレオーフェンシリーズの方にもでてくるんでしょうか。そっちの方が楽しみだったりして。
このシリーズは、本編は5冊目あたりからおもしろくなります。
シリーズ9冊目、10冊目の「我が神に弓ひけ背約者(上)」「我が神に弓ひけ背約者(下)」あたりは結構おもしろい。


●「ポケットモンスター VOL.2 仲間」首藤剛志[小学館スーパークエスト文庫](99/10/21)

「ポケットモンスター 1」の続き。テレビアニメをベースにした小説で、アニメのシリーズ構成やってる方が小説化を手がけています。
話は対タケシ戦から対マチス戦のあたりまで。アニメの最初のあたりは、結構話がいいんで悪くないしあがりです。ただ、全部知ってる話だけに意外性は全然ないというか。
小説版のピカチュウは男気に溢れててカッコよくてよかったです。
そういえば、久しぶりにテレビアニメの方をみたけど、いつの間にタケシが復活したんだ?


●「スレイヤーズすぺしゃる14 ホーンテッド・ナイト?」神坂一[富士見ファンタジア文庫](99/10/20)

「スレイヤーズ!!」シリーズの番外編のバカノリの話。いつものように勢いで読んでしまいましたが、ここ数冊はちょっとパワー落ちてるかな?という感じがします。さすがにここまで冊数がでると、パターンにハマっちゃってるのかも。
「スレイヤーズ!!」シリーズはアニメや文章のノリのせいで、軽く見られてしまってるかもしれないですが、本編の第一部は世界観や筋が結構おもしろいです。(二部に入るとイマイチだけど)特に第一部のラストあたりはよかったなあ。


●「シルバー事件 case#4,5フェイス」是方那穂[ファミ通文庫](99/10/20)

装丁の感じが悪くなかったし、サイコサスペンスってことで、大塚英志●「サイコ」のような作品を(ちょっとだけ)期待して買ってみましたが……まあ、「サイコ」レベルの作品はそうあるものじゃないという当たり前のことがわかっただけで。
22歳の女性ばかりを狙う通り魔事件。その背後に隠されている謎は?…というような作品で、素材自体はそれほど悪いとは思わないけど、見せ方の問題なのかな。もうひとつドキドキがなくて。
この作品は「シルバー事件」というプレステ用のゲームのノベライズだそうですが、聞いたことないなあ…


●「科戸の風 霊鬼綺談」小早川恵美[講談社X文庫ホワイトハート](99/10/19)

「霊鬼綺談」シリーズ完結編。霊的話を背景とした、少年たちの友情物語なんですが、今回も過去の因縁話からみでして。様々な時代での話が語られるわけですが、このあたりは作者の力量不足のせいか、描写が薄っぺらい感じがするのがなあ…二人がお互いを大切に思いあうことで、過去の呪縛を断ち切れる展開とかは悪くはなかったんですが。その手の友情モノには弱いんで。
とりあえず新シリーズがでたら読んでみようかな。


●「ST 警視庁科学特捜班 毒物殺人」今野敏[講談社ノベルズ](99/10/18)

「ST 警視庁科学特捜班」の続編です。
警視庁科学特捜班。通称STは能力はズバぬけているが強烈な性格のメンバーが揃っていた。STは警視庁の中でも白眼視されていて、廃止を求める声も上がっていた。そんな中、公園に毒物で殺された死体が連続して発見された。捜査から外れたSTの面々は独自に捜査をはじめるが…
前作は結構おもしろかったけど、今回は平凡かな。STの面々がその特殊能力を生かした活躍をあんまりしなかったのが残念でした。


●「天魔の羅刹兵 一の巻」高瀬彼方[講談社ノベルズ](99/10/17)

ネットで結構評判高かったので、読んでみることに。これが大当たりでした。
天下統一を進める織田信長の時代を舞台にした軍談もの。すでに語り尽くされた観のある舞台ですが、ここに「巨大ロボット」というアイデアを取り入れることで生き生きとした新しい話になりました。
わくわくする話です。語り口もキャラもいいなあ。イッキ読みでした。
14歳の少年が運命に導かれてロボットに乗るあたりが某作品を彷彿させてしまいますが、とにかく次作が楽しみです。
この人の昔の作品も読んでみたいけど、見つかるかなあ…


●「凍える島」近藤史恵[創元推理文庫](99/10/16)

「近藤史恵」という名前はネットのミステリ関係で何度かみかけた名前で、結構評判よかったので文庫本化を期に手にとってみることにしました。
真夏の孤島にバカンスに訪れた8人の男女。そして起こった密室殺人。外部に連絡がとれなくなった状態での連続殺人事件…という由緒正しいクローズド・ゲームな話です。
とても詩的で哀しい話を描く人ですね。ミステリとしてはそれほどとは思わなかったけど、動機だとか事件の構造は美しくて好きかも。
他の作品も読んでみたいな。早く文庫本化してくれないかな。


●「獣ハンター“エミ”」松浦秀昭[ソノラマ文庫](99/10/15)

「虚船」で第2回ソノラマ文庫大賞を受賞した作者の新作。
自然破壊が進み、貴重な野生生物の個体がさらに減少した未来の地球。野生生物を密猟団から守るために存在するW.W.P.(世界自然保護警察)の特命刑事カーレスはアフリカの小国でカメラマンのエミと会う。エミは動物カメラマンであるが、彼女は銃を持って密猟者と戦う「ビーストハンター」でもあった…
キャラの作りや会話のノリなどはかなり軽く作ってあります。それでいながら、銃器関係のディテールは妙に細かくかきこみされてますねー。好きなんだろうなあ。
「虚船」に比べると基本アイデアや話の爆発力などの魅力はひけをとりますが、今回の話も読んで損はないかと。


●「ハルマゲドンバスターズ 魔術師たちの宴」嬉野秋彦[集英社スーパーファンタジー文庫](99/10/14)

「ハルマゲドンバスターズ」のシリーズ5冊目。第二部スタートです。
現代の日本を舞台に、陰陽師だとか魔術師だとかシャーマンだとかが戦いを繰り広げる明るく軽いお話です。
今回は久しぶりにかがりお姉様の登場。新登場のキャラはまだ目的とか関係とかがわかりにくいためか、うーん、なんかねぇ…
まあ、軽くさっと読めるのはいいんですが。


●「彼方より」篠田真由美[講談社](99/10/13)

「建築家探偵」シリーズの篠田真由美の新刊です。ハードカバーで高かったけど、サイン会の整理券がついてたんで買いました。結局サイン会は都合で行けなかったんですが。
聖女・ジャンヌダルトと共に戦った貴族のジル・ド・レ。彼は「青ひげ」のモデルともなった、稀代の少年殺しであった。彼と共にあった若き錬金術師のプレラッツィの苦しみと救済の物語です。
うーん、正直いうとよくわかんなかったです。
私には最初から神様なんていなかったから。
だから、神に絶望しながらも神を求めずにはいらない心境とか、理解できないです。
話をずっと外側から眺めているような心境でした。私には難しすぎました。


●「カムナビ 下」梅原克文[角川書店](99/10/10)

で、下巻です。今までのこの人の作品からすると、急展開になるかと思ったらそうでもなかったかな。
新たな力を手に入れた考古学者の志津夫は、「カムナビ」の謎を解くために三種の神器のひとつであるクサナギの剣を手に入れようとするが…
おもしろいのはおもしろいんですが、「人知を越えた」力を手に入れたわりにはパチンコで稼いで生活するとか、なんだかもうひとつセコいような気がするのは私だけでしょうか。…というか、力がインフレ起こしてるライトノベルズを読みすぎのせいかも。
話が宇宙生成の謎にまで及び、スペクタルな展開になる終盤は文句なしにおもしろかったです。
ただ、個人的にはこれをハードカバーでも読むべきかというと…うーん。私が今風邪気味で、もうひとつ思考能力が低下しているせいか、もうひとつワクワクが足りなかったんですよ。「ソリトンの悪魔」のときにはあれだけドキドキワクワクしたのにな。


●「カムナビ 上」梅原克文[角川書店](99/10/8)

「二重螺旋の悪魔」「ソリトンの悪魔」の作者の、4年ぶりの新作です。
考古学者の志津夫は、失踪した父の手がかりを知る学者ところに会いに行くと、そこには常識では考えられないような高温で焼かれた焼死体があった。その不可解な死の原因を辿っていくと、古代には存在しないはずの青いガラスの土偶がみつかった。行く先々で出会う謎の美女。そして人類を越えた力……キーワードとなる「カムナビ」とは何か?
まだ上巻、序盤って感じかな。話の流れがまだゆるやかに感じます。上巻がいいところできれてるので、後半にはこの作者独特のジェットコースターな展開になるのかな?
今のところではまだなんとも評価ができないですね。


●「EDGE〜エッジ〜」とみなが貴和[講談社X文庫ホワイトハート](99/10/6)

「セレーネ・セイレーン」の作者の約1年ぶりの新作。
これは思わぬ拾い物でした。
ジャンルとしてはミステリ…というよりはサスペンスかな?
東京タワー、都庁、レインボーブリッジ……それらを爆破する「黄昏の爆弾魔」。捜査に行き詰まった警察は、天才的な心理捜査官の大滝に捜査を依頼した。しぶしぶ引き受けた大滝は、プロファイリングで爆弾魔を追いつめてゆくが…
天才的な心理捜査官だとか、超能力を持った青年だとか、設定はコミックじみたところはありますが、構成力が結構あるので物語にしっかりと骨が通ってます。キャラも立ってるし。話の展開もなかなかおもしろく、イッキ読みさせられました。
ただ、惜しいのは、これは講談社ノベルズででるべきだったんじゃ?ということ。その方がもっと広い人に読んで貰えたのに。ミステリとしては、第一の山場になるはずの「なぜ爆弾魔は犯行を重ねたのか?」の解明の部分が早い段階であっさりと披露されるのが余韻にかけるのが残念です。このあたりは読んでてすごくわくわくしたけど、もっとじらしてもよかったんじゃないかなあ。ちなみにこういう犯行理由はすごく好き。ミステリ好きの人は、その解明の部分だけでも読む価値はあると思う。
この作品がホワイトハートからでるのであれば、大滝は女性よりも男性でいた方がウケがよかったんじゃないかなあ……大滝の藤崎と宗一郎に対する複雑な愛情の部分とか、クライマックスのところとか、今の話でもとてもよかったけど、これで大滝が男性だったら萌え度が5倍くらいに跳ね上がってたんですが……(腐りすぎだよ(^ ^;)>自分)
でもそうなってたら、一般の人には薦めにくくなるから、これでよかったんだろうね。
「ライトノベルズはアウトオブ眼中」なミステリファンにもぜひ読んでもらいたい作品です。


●「これは王国のかぎ」荻原規子[中央公論社C★NOVELS](99/10/6)

「西の善き魔女」の作者が昔に理論社から出版された児童文学のノベルズ化。
少女は15の誕生日の日に失恋した。泣き付かれて眠った少女が目覚めたところ、そこはチグリス川のほとりでターバンを巻いた青年が目の前にいた。少女は気が付くと不思議な力を持つ魔神になっていて…
アラビアンナイトなおとぎ話です。
読んでてわくわくする「冒険物語」でした。キャラクターもなかなかいいですね。
途中から予想外に倒錯的な恋愛話に突入してしまうんですが、個人的にはそれがなんだかすごくツボでした。
ハールーンとラシードに別のキャラを重ねあわせていたので当社比1.5倍くらいキャラ萌えで楽しめました。
荻原規子って、昔から結構「知る人ぞ知る」という感じで評判でしたが、さもありなん。
「西の善き魔女」の外伝がでるそうですが、本当に楽しみ!!後日談がいいなー。


●「ラグナロク6 黄金領域」安井健太郎[角川スニーカー文庫](99/10/5)

二か月連続登場、「ラグナロク」の最新刊。元傭兵のリロイと、相棒の喋る剣のラグナロクの格闘ファンタジーです。
今回も舞台は引き続きヴァナード王国。女王の命を狙って次々と繰り出されていく刺客、そして第一王位継承者のマリーナが攫われ…と前巻の続きです。相変らずパワーとスピードのある作品です。
今回は久しぶりにラグナロクの人間バージョンが登場、しかもけっこう活躍したのが嬉しいなあ。個人的にはリロイの本性バージョンももっとみてみたいけど。
来月は番外編の短編だそうで、それも楽しみです。


●「高天原なリアル」霜越かほる[集英社スーパーファンタジー文庫](99/10/4)

99年度ロマン大賞受賞作。女子高生のかれんはごく普通の少女だった。声優をやっているかれんの母が声を当てた恋愛シュミレーションゲームのキャラ・かほりが大人気になるにつれ、かれんはかほりの「バーチャアイドル」企画にひっぱりだされることになって…
最初はあんまり設定とかに興味がなかったんだけど、ネットで結構誉められてたので読んでみることに。
話のテンポがすごくいいし、ゲームがヒットしてバーチャアイドル企画が発展していくあたりのディテールがしっかりしてて、とにかくおもしろいです。
読んでて気持ちいい作品。オススメ。


●「WEB100 個人情報&ネットストーカー編」名犬ヨッシー[BNN](99/10/3)

今回は小説じゃなくて、実用書ですが、できるだけ多くの人に読んでもらいたいので。
WEB110番の名犬ヨッシーさんが書いた本です。もう一冊、「金銭トラブル&アダルトサイト編」とペアででてるんですが、こちらは私にはあんまり関係ないんで…
さて、内容はイラストを多用して、初心者にもわかりやすく書いてあります。ただ時々内容が中級者向けになってるかな。初心者にはIPだとかリモートホストだとかあのあたりはわかんないだろうし。
私はこの手のジャンルには結構興味を持って色々とみてますので、特に目新しい知識はなかったですが、紀藤正樹弁護士との対談は「そうそう」とうなづくこと多し。
とにかく、ネットの初心者、中級者の方は買って一度は目を通しておきましょう。1000円です。
あと、本当に初心者って方は、「インターネットで危険を避けるための最低限の知識」ってページを一度でいいので読んでくださいませ。


●「夢の宮〜王の帰還〜下」今野緒雪[集英社コバルト文庫](99/10/1)

さて、●「夢の宮〜王の帰還〜上」の続き。
チー国の貴族の息子として育ったシンリは、内なる声に惹かれてロアン国に旅立つ。そして迷いこんだ美しい庭園で少女に出会うが…
上の18年ほど後の話。予言のとおりにテンヨウの息子が戻ってくるわけです。でもその後の展開があんまり意外性がないし、盛り上がりにかけてます。
あと、なんでそこまで直径の子孫が王位を継ぐことにこだわるんだろう。私だったら子孫よりも自分が幸せになることの方を優先しちゃいそう。子供いないからそういう気持ちはわからないだけなのかな。
空白の18年間の苦悩があんまり伝わってこなかったのも…
今回のはもうひとつでした。


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